学長 ご挨拶
同朋大学学長
同朋大学同窓会事務局長
尾畑 文正
昨年の同窓会総会において、北海道支部、四国支部の設立が承認され、北陸支部、広島支部、三真会、社会福祉従事者の集いにつづいて、地域における同窓会活動に、ようやく、活気があふれてまいりました。大学をとりまく社会的経済的諸状況は、大学にとって必ずしもいい環境ではありません。確かに以前にはみなぎっていた福祉への熱い思いが、昨今はなかなか形になっていかない。また人間を根本から問う文学への眼差しも活字離れとともに薄れつつあり、更には同朋大学の根幹となるべき仏教的思惟も私達の経済活動中心の生活の中で、蔑ろにされつつある現状があります。それらが幾重にも重なり合って、大学存立の意義があらためて問われています。私たちが、人として生きることの最重要課題として、人間とは何か、福祉とは何か、そんな根本的な課題が問われているにも関わらずに、真向かいにならないのが現実です。
しかし、そういう生きることの哲学(生きる意味への探求)が見失われ、埒外におかれている状況であるからこそ、人間を問い、福祉を問い、万人共生の世界を明らかにする同朋大学の願いがあらためて求められ、露出することが問われているのだと思います。その
ことの作業に同朋大学存立の意義もまた存在するものと思います。
ぜひ、今後とも、そんな同朋大学の願いを支部設立という形で、世界に露出していただきたいと思います。
親鸞聖人は主著『教行信証』を閉じるにあたって、「前(さき)に生まれん者は後(のち)を導き、後(のち)に生まれん者(ひと)は前(さき)を訪(とぶら)え、連続無窮にして、願わくば休止(くし)せざらしめんと欲す。無辺の生死海を尽くさんがためのゆえなり」という道綽禅師の言葉を引用しています。
その言葉に重ねて、いわせていただければ、卒業、修了で、同朋大学との御縁が終わるのではなくて、同朋大学を経験し、その願いに触れたものの責務として、この願いを世界に向けて発信していくことが、いま私たちに求められていると思います。
その具体的な一歩として、支部設立、支部充実に、同窓生諸氏のお力添えをお願いするとともに、無差別平等に万人共生の世界を願う同朋精神にふれていただく「新しい人」を、ひとりでも多くの受験生を、同朋大学にご紹介下さい。
これは、新学長としての最初のお願いです。母校存続のために切にお願いいたします。



