いのちの村出張講義

同朋の「知」を、広く社会に問い、社会と共有するために
より親しみやすい、社会に役立つ「知」のあり方を求めて

長い歴史の中で培ってきた同朋大学の知的資産を、地域の皆様やさらに、社会共有の財産として生かしていただくことを目的として、同朋大学教員による「出張講義」を行ないます。

費用 〔講師謝礼〕1講義10,000円 
60~90分程度
〔交通費〕同朋大学(名古屋市中村区)を拠点に出張先までの実費(公共交通機関)
※出張講義終了後、大学より請求書を送付します。
全体の流れ ① 下記の「出張講義申込みフォーム」にアクセス
② 必要項目を入力後、送信
③ 教員に日程等確認後、主催者に可否の連絡
④ 講義の詳細打ち合わせ
(資料・機材の有無等)
⑤ 出張講義の実施
その他
  • お申込みの講義の目的が「いのちの村」の理念と合致しないと考えられる場合、お断りする場合があります。
  • 教員の都合により、ご希望に沿えない場合があります。
お問い合わせ 連絡先 〒453-8540 愛知県名古屋市中村区稲葉地町7-1
TEL:052-411-1113(代表)
FAX:052-411-0333
E-mail:このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。

いのちの村 出張講義申込フォーム

講義テーマ一覧(2023年度)

※【学科略称】仏:仏教学科 / 人:人文学科 / 社:社会福祉学科社会福祉専攻 / 子:社会福祉学科子ども学専攻

学科:講師テーマと内容
仏:安藤弥 【テーマ】
①「三河一向一揆と徳川家康」
②「日本文化史における地獄・極楽」

【内容】
①永禄6(1563)年に起こった三河一向一揆は当時「一向宗」と呼ばれた浄土真宗・本願寺の門徒集団(民衆・僧侶・武士たち)が徳川家康による「寺内」侵害に反抗して武装蜂起した事件で、若き家康にとって一部の家臣に離反されるなど、厳しい状況にも陥いるものでした。この事件の歴史的前提と発端、戦闘の経過と数々の逸話、結末と事後の展開について紹介し、本願寺門徒・徳川家康双方にとっての歴史的意義を考えます。
②地獄か、極楽か。人はこの世の生を終えたらどこに行くのでしょうか。長い歴史のなかで、人の心を揺さぶり続ける永遠の課題です。日本人の生活文化の中に息づいてきた〈地獄・極楽〉、とりわけ「六道」(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天)という宗教的世界について解説します。主にその世界を体系的に叙述した源信の『往生要集』、またそれに基づいて描かれたさまざまな絵画史料について、パワーポイントを用いて紹介します。
人:園田博文 【テーマ】
「分かりやすい語源の話」

【内容】
これまで、『新明解語源辞典』(三省堂)の項目執筆や語源に関する論文発表を行ってきました。興味・関心に応じて、日本語の語源について分かりやすく解説します。幼稚園生・小学生対象であれば、ポケモン(ピカチュウ、ニャオハ)の話、高齢者対象であれば、饅頭・食パン等食べ物の語源・語誌についてお話します。
人:森村森鳳 【テーマ】
①親鸞と現代
②『三国志』の名脇役たち

【内容】
①親鸞の視座から歴史を捉え直す。
②『三国志演義』の最も魅力的なところは、千人以上の登場人物の人生が生き生きと描かれた「人間博物館」といわれるところにあります。『三国志演義』を通して、人間・歴史・社会・人生を学ぶ。
人:山脇雅夫 【テーマ】
「悲哀と哲学」

【内容】
哲学の始まりは人生の悲哀でなければならない――近代日本を代表する哲学者西田幾多郎のことばです。人は、悲哀を通じて人生の意味を知ることがあります。この講義では、西田のような哲学者だけではなく、いろいろな実例にそくして、苦しみや悲哀を通して見えてくる生きることの意味を考えます。
社:石牧良浩 【テーマ】
「ストレス対処法と心の健康維持について」

【内容】
私たちは、ストレスに対して、ふだんどのような対処方略を使っているのでしょうか。それらの分析を行い、ストレスと上手に付き合い、心の健康を維持していく方法を考えます。最近の考え、資料などをもとに、できるだけわかりやすく、興味深い内容にしたいと考えています。
社:岩瀬真寿美 【テーマ】
現代の日本の道徳教育に仏教が示唆すること

【内容】
人間存在についての洞察、世界観についての理論構築、さらに人間形成の向かうべき方向性や目標の捉え方といった点で、仏教が現代の日本の道徳教育に対して示唆することを考えます。具体的には、世界が修行の場であるという世界観、環境倫理教育の思想的基盤、内省を促すことの必要性、自己にとって誰もが学ぶべき他者であること、利他の生き方がそのまま自利すなわち自己の「人格の完成」への道となるという人間観などです。
社:牛田篤 【テーマ】
「地域における回想法の実践-介護予防、地域づくり、認知症ケアの視点から-」

【内容】
本講座は、介護予防、地域づくり、認知症ケアに関心がある方を対象とします。内容は、前半に回想法の基本的な実施上のルールおよび地域における回想法の実践を紹介します。後半は、回想法を体験していただきます。回想法とは、懐かしい思い出話を語り合い、今これからの生活を豊かに過ごす方法です。ぜひ、ご一緒に学び合ってみませんか。
社:小沢日美子 【テーマ】
①「子どもの心の育ちと“共同注意”」
②「心理劇と創造性」

①人の生活は、心のふれあいから始まりますが、やがて、「一緒に何かを見つめる」ようになります。このとき、私たちは自他の心の世界に気づき、それを思い浮かべて共有しています。この他者の心への気づき、何かがわかるという感覚的な自分と自分以外の周囲の環境の理解は、子どもの心の育ちに重要な役割を果たします。特に、他の人の視線や指さしている指の目に見えない延長線をたどり、その人と同じところに注意を向ける「共同注意」は、子どもの心の育ちにおいて重要な働きを担っています。

②近年、「アクティブ・ラーニング」「主体的・対話的で深い学び」などの “体験的な学び”が強調されています。自発性や創造性が求められる心理劇は、そのセッションや構造そのものが「主体的・対話的で深い学び」に自ずと導かれる教育的な技法です。当日は心理劇について概説した後(時間の許す限りで)脚本のない「いま、ここ」の時空間の中で、日常の役割体験を越え、自らの人間性を豊かにし、日常への適応力を高める心理劇的な体験にチャレンジをしてみたいと思います。
社:加藤昭宏 【テーマ】
地域でできる こころの栄養補給法

【内容】
地域社会における人と人との関係が希薄となり、「わずらわしいことがないこと」が快適とされています。しかしその一方で、「ストレス社会」と言われ、「社会的孤立」状態にある方々が増えているとも言われています。
そのような中で「地域」にはどのようなことができるのでしょうか?
本講義では、「子育て」を例に、人と人とのコミュニケーションにおける「ストレスマネジメント」についてお話をさせていただきます。
社:鴨澤あかね 【テーマ】
「対人支援に活かすコミュケーションスキル」

【内容】
福祉、教育、医療などの場面で、対人支援が機能するかどうかは、被支援者と支援者のコミュニケーションが、良好で協力的なものであるかどうかにかかっています。講義ではSCT(Systems-Centered Training/ Approach)の考え方に基づいて、「受容」「共感」「傾聴」とは実際にどのようなことなのか、具体的に何をすれば良いのかをレクチャーし、簡単な練習も取り入れて、対人支援に活かすコミュニケーションスキルを参加者のみなさんと共に学んでいきます。
社:工藤隆治 【テーマ】
「社会福祉の歴史-資本主義経済の体制と社会福祉」

【内容】
資本主義経済の体制の矛盾から、社会福祉の政策が構築されたといわれている。本講義では、イギリスの産業革命の光と影を捉える。そして、1942年に公表された、『社会保険および関連サービス』(ベヴァリッジ報告)の内容を解説しながら、何故社会保障や社会福祉政策が、資本主義経済の体制のなかで必要になったのかを考えていきたい。また、アメリカのニュー・ディール政策などにも触れて、資本主義経済と社会福祉の関係性と重要性を解説していきたい。
社:下山久之 【テーマ】
「介護福祉分野におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)」

【内容】
今、介護福祉分野にも多様なデジタルテクノロジーが導入されようとしています。適切にデジタルテクノロジーを活用することが出来ると、介護福祉サービスを利用する人の生活の質も向上し、そして家族介護者や介護福祉職の負担軽減も図られます。また介護福祉の専門性を向上させていくことも出来ます。介護福祉分野における適切なデジタルテクノロジーの活用について学んでみませんか?
社:福島裕人 【テーマ】
「笑いと健康~最近笑っていますか?~」

【内容】
「笑う門には福来る」と言われることわざにもあるように、笑いにはさまざまな健康効果があります。本講義では笑いや笑顔(スマイル)の心身に与える効果について簡単にご紹介し、日々健康で楽しい生活を送るために、笑いや笑顔を活用するコツについて体験を交えて紹介します。皆様と楽しい時間を過ごすことができましたら大変嬉しく思います。
社:吉田みゆき 【テーマ】
「紹介します! SST(社会生活スキルトレーニング)」

【内容】
SSTとはSocial Skills Trainingの略で、認知行動療法の一つに位置付けられる新しい支援方法です。現在では医療機関、障害福祉サービス事業所、矯正施設、学校等さまざまな場所で実践されています。本講義ではSSTについてご紹介し、皆様のご要望に合わせて一緒に体験してみたいと考えております。
社:渡邊幸良 【テーマ】
「排除される若者たち」

【内容】
日本のフリーターやニートを取り上げて、公式データから排除されている若者たちの推移を検証し、不安定就労の増加と少子化とのスパイラル現象を確認する。平成不況下に、若者たちの失業率を上昇させながら、若者たちの所得格差を拡大してきたて、晩婚化、非婚化、少子化を引き起こしてきた。
子:疇地希美 【テーマ】
「絵本と音楽」

【内容】
その1:絵本の音楽会
幼児向け、乳児と保護者、高齢者や大人向けなど対象に合わせた演目で、クラシック音楽を絵本に用いた音楽会をいたします。ソプラノ、ピアノ、チェロと様々な打楽器を用いた演奏です。
その2:絵本で音楽遊びワークショップ
絵本の持つ音楽性について考え、実際に声に出して読む方法を模索しながら絵本の音楽的な楽しみ方について学びます。いつもとは違う絵本の読み聞かせ、音楽遊びのきっかけとしての絵本の活用法を考えます。
子:神谷良恵 【テーマ】
「生きる力とわらべうた」

【内容】
希薄になりゆく現代の人と人とのつながり。しかし、子どもたちも若者も親たちも、社会人もお年寄りも障害のある人もつながりを求めていない人はいないのではないでしょうか。人と繋がることは安心感が生まれ、自然に生きる力が湧いてきます。講義ではわらべうたをいくつかご紹介し、実際に遊んでみます。そして、長く伝えられてきた口承文化わらべうたの中に潜む力強さやその魅力をお伝えします。
子:北島信子 【テーマ】
「東井義雄の教育実践における浄土真宗の教え―学校文集の取り組みを中心に―」

【内容】
東井義雄(1912‐1991)は、『村を育てる学力』(1957年)で知られる戦後もっとも著名な教師の一人です。彼は、教師であり浄土真宗の僧侶でもありました。東井の教育活動の取り組みとして、大人の作品も含めた学校文集があり、そこには「合掌」「拝むということ」といった作品が投稿されていていました。人々は文集での交流によって、親・子・教師の相互理解がすすみ、しだいに自己中心的な自己を超越し、自己深化を遂げていきました。今日的な学校と地域の連帯を考えたとき、東井の教育実践が問いかける現代的意義についてお話しします。
子:藤林清仁 【テーマ】
育ちの根っこー子育て・療育・つながる支援ー

【内容】
障害のある乳幼児とその家族を支える地域療育システムについて紹介します。乳幼児健康診査を中心とした保健所や保健センターの関わり、子育て支援としての「親子教室」、療育を行う児童発達支援センター、障害のある子どもを受け入れている保育所や幼稚園、認定こども園の役割や課題について紹介します。