同朋大学同窓会

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同窓会長あいさつ

七歩会――私達の同窓会

会長 佐藤 賢俊(B20)

会長 佐藤賢俊
佐 藤 賢 俊 会長

 この度同朋大学同窓会総会にて、同窓会会長に就任いたしました佐藤賢俊と申します。何ら実績も経験もない私ですが精一杯つとめさせていただきますのでよろしくお願い申し上げます。
 私達昭和四十六年度卒業の仏教学科二十回生は三十名程で、卒業後は「七歩会」という名のクラス会を今日迄続けてまいりました。最初のクラス会には恩師池田勇諦先生を囲んで半数以上の参加がありました。その席で話題になったのは、寺へ入った者、本山・別院に勤めた者、一般企業へ就職した者等、それぞれの社会の中での悩みや疑問を持ちながら何かしようとしてもそこにとどまってしまっている自身のあり方でした。
 そして、その中で池田先生に講儀をお願いし座談会を通してそれぞれの問題意識を深めていける様なクラス会を継続していきたいという皆の願いが七歩会を発足させたのです。「七歩」会の名は『無量寿経』の「現行七歩・・」からいただきました。研修会は一泊、池田先生の講義と会員の問題提起、座談会は必ずプログラムに入れることも決まりました。
 それ以来、二十四回を数える研修会と八回の親睦会を続けてきました。一昨年の犬山市で行われた二十四回目の研修会には、九名の参加を得て四名の会員物故者の追弔法要を勤めました。その後の食事の時のことです。秋田市から毎回参加している友人(彼が七歩会の名の提案者)は「仲間に会えるから。先生のお話が聞けるから」何を差し置いても出かけてくるのだと言います。本山の宗議会議員の職にある多忙な北海道の友人は、名古屋に来ると必ず同朋大学を訪ねるそうです。四十数年前の学生時代の大学の校舎はすべて建て直され、一新されたキャンパスを見て一抹の寂しさを覚えつつも「ここで私が学んできた」ことを確認する為に足を運ぶのだと言います。「学生時代いいかげんに聞いていた先生の講義をもう一度真剣に受けたくて」と照れくさそうに言う友人もあります。

 本ものは続く。続ければ本ものになる

 池田先生から七歩会にいただいた言葉です。この言葉を一人一人の思念訓として会を続けてこられたのだと思います。私達が同じ時代に同朋大学に学んだからこそ、善き師に出会い善き友をたくさん持つことが出来たのだと思います。
 本年七月の大学同窓会総会において各支部の活動報告と昭和四十五年から四十八年度卒業生の合同同窓会が催され盛会だった事が報告されました。同窓会活動が各地でそれぞれの形で続けられていることを頼もしく思いました。母校の益々の発展と同窓会の充実を心から願っています。

合掌


同朋大学学長あいさつ

学びが社会的実践とダイナミックに結びつく同朋大学
同窓会との連携強化は本学の最重要課題

第16代同朋大学学長 福田 琢

学長 福田 琢氏
福 田 琢 学長

 2024年4月1日より同朋大学学長に就任いたします福田琢(ふくだ・たくみ)と申します。就任にあたり、同窓会のみなさまに、自己紹介を兼ねて御挨拶申し上げます。
 私は1963年(昭和38年)埼玉県に生まれました。高校を卒業するまで地元で過ごし、大谷大学に入学、京都で暮らし始めました。仏教学の世界に引き込まれ、卒業後も大学院進学、特別研修員(任期付き研究助手)と研究生活を続け、結局12年を京都で過ごしました。1994年、同朋大学の非常勤講師になりました。
 翌1995年──1月に兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)、3月に東京で地下鉄サリン事件が起こった年です──4月、同朋大学の専任教員に採用され、名古屋に移りました。同朋のキャンパスでは、社会福祉学部の学生や職員を中心とするボランティアネットワークが、被災地支援のための活動を始めていました。仏教学科では、僧籍をもつ教員や学生が、オウム真理教事件のもたらした「カルトと宗教」「正しい宗教とは何か」という問題に直面し、議論を重ねていました。着任早々、教室での学びが社会的実践とダイナミックに結びついている同朋大学の個性を目の当たりにすることとなりました。
 爾来、30年近くを本学にお世話になっております。当時を思うと、キャンパスの光景も大学の組織もだいぶ様変わりしました。現在、稲葉地のキャンパスは、12階建ての成徳館を中心に、博聞館(研究室及び教室)、Doプラザ閲蔵(図書館、ホール、ギャラリー、仏教文化研究所、〝いのちの教育〟センター)、行善閣(事務所)、勝友館(学生食堂)および善友館(クラブ・サークル棟)という6つの建物から構成されています。学部・学科は文学部仏教学科(真宗学・仏教史学)、文学部人文学科(日本文学専攻・歴史文化専攻・現代教養専攻)、社会福祉学部社会福祉学科(社会福祉専攻・子ども学専攻・臨床心理専攻)の3学科8専攻および別科(仏教専修)をもって構成され、加えて大学院人間学研究科には博士前期課程(仏教文化専攻・人間福祉専攻・臨床心理専攻)と博士後期課程(仏教文化専攻・臨床心理専攻)が設けられています。同窓生のみなさんにとっては、聞きなれない名前もあることと存じます。しかしよくよくご覧になれば、時代に併せた名称の改訂や再編はされても、その根底に一貫して変わらない「同朋和敬」の精神にのっとった、学びと実践の姿勢が持続していることを見出していただけるとも思います。
 2018年度からこの3月までの6年間、同朋大学は初めて、国立大学の学長経験者、しかも理系の研究者(物理学者)を外部から学長に迎えました。松田正久学長は、任期の半分ほどがコロナ禍と重なっていたにも関わらず、たいへんな行動力を示され、様々な組織改革や教員の意識改革、大学内のインフラ整備を行いました。一方で、本学の伝統や建学の精神「共なるいのち」を尊重し、学生たちの中に飛び込んで交流し、野球部はじめ運動部の試合に足繁く応援に向かわれました。昨年度は、18歳人口が前年度より全国規模で3万5千人、東海三県で5千人ほど減少し、多くの中・小規模大学が受験生不足に苦しんだなか、前年度を上回る受験者数と合格者数を獲得する、という快挙をはたされました。
 大学をめぐる状況は、今後ますます厳しくなってまいります。にも関わらず本学が健闘している大きな要因が、オープンキャンパスでの直接体験や、先輩・卒業生の奨めなど、体験者の口コミであることは、アンケートの結果分析からも明らかです。その意味で、同窓会との連携強化は、本学の今後にとって最重要課題のひとつです。卒業生のみなさんが、また帰って来たくなる、ホームのようなキャンパス作りを目指します。御支援よろしくお願いいたします。