同朋大学教員倫理綱領

2020年5月22日

同朋大学連合教授会決定

教育と研究という崇高な任務に携わる大学教員の職業倫理の基盤は、基本的人権の尊重と知的誠実性を貫徹することにある。同朋大学の教員は、この基盤に立脚し、社会の負託に応え、知の継承・創造・貢献を日々行っていることに誇りをもって、その活動を社会に説明し、教育と研究を第一義として同朋大学の発展に寄与していく義務を負う。同朋大学教員として建学の理念である「同朋和敬」に基づく教育方針を踏まえ、学生の学修支援を第一の責務と認識し、ここに同朋大学教員倫理綱領を定める。

1.同朋大学に対する倫理

 同朋大学の教員は、同朋学園及び同朋大学の建学の理念を尊重し、その目的の達成に貢献する。

(1) 同朋学園教職員勤務規程をはじめとする学内諸規則を誠実に遵守する。

(2) 同朋大学の本務に専念し、出校して教育研究に従事する。出校する日数は、週当た

り最低4日とする。

(3) 同朋大学の入学式、卒業式、オープンキャンパス、FD、SD、各種諸行事など大学の共同の営みに積極的に参加する。

(4) 兼業は可能な限り避けるが、やむを得ない場合は、出校日以外を充て、週当たり2コマを限度とし、大学の許可を得る。兼職についても、大学の許可を受ける。許可を受けた場合であっても、これによって本務に支障を生じさせない。 外部での講演等が出校日にあたる場合は、事前に届け出る。

(5) 同朋大学における勤務について、定期的に業績評価を受ける義務を負う。

(6) 大学の公的資源を私的利益のために用いない。

2.同朋大学学生に対する倫理

同朋大学の教員は、学生の信頼に応え、知的営みの先達として、学生の学修する権利を保証するとともに、同朋大学が定めるカリキュラムに従った教育活動を行う。とりわけ同朋大学が少人数教育に重きを置いていることに鑑み、学生の自主的学びを重視し、学修者目線での教育を実践する。

(1) 同朋大学の教員は、公私の区別を明確にし、教育者として学生の模範となる品位ある行動をとる。

(2) 授業および研究指導において、学生の人格を重んじ、教育者として学生の自由な学修を支援する。 またアドバイザー教員としての職務を果たす。

(3) 自己の教育能力を開発し、授業の内容および方法を改善することについて、不断の努力を怠らない。また、自己の教育活動に対する学生の評価・批判に真摯に応答する。

(4) 成績評価、単位認定その他学生指導全般において公正を確保する。

(5) 権威的な姿勢で学生と接しない。学生に対してその地位を利用したパワハラ、セクハラなどあらゆる人権侵害を行わない。 学生の個人情報などの扱いには十分注意し、外部に漏らしたりしない。

3. 同僚に対する倫理

  同朋大学の教員は、研究者として同僚教員の学問的立場を尊重するとともに、学問的批判に対しては誠実かつ真摯に応答する。同僚職員の固有の職務を理解し、協力して同朋大学の発展に努める。

(1) 同僚による評価を受け、また同僚に対する評価を公正な視点で誠実に行う。

(2) 同僚教職員に敬意をもって接し、その人権を侵害しない。職階・身分を利用した

差別等は行わない。

4. 研究者としての倫理

  同朋大学の教員は、大学教員に保障されている「学問の自由」が責任を伴うものであることを自覚し、知識の探求を通じて社会に貢献する。同朋大学の教員は各々の研究を通じて人類の健康と福祉、社会の安全と安寧、そして地球環境の持続性に貢献するという責任を有する。

(1) 知的探究の意志を持ち、学術研究に精励し、研究成果を公表する。

(2) 自己の専門分野の進展について、常に関心を持ち、その成果を教育に反映させる。

(3) 研究倫理を守り、研究・調査データの記録保存や厳正な取扱いを 徹底し、ねつ造、改ざん、盗用などの不正行為を為さず、また加担しない。私的利益を目的として研究を行わない。報酬を伴う研究その他の活動は、大学の了解に基づいて行う。

(4) 他の研究者の学問的立場を尊重し、学問的批判に対しては誠実に対応する。

(5) 学術国際誌及び日本学術会議協力学術研究団体の学会誌への投稿を心がけ、学内発行誌にも積極的に寄稿する。

(6) 自らの研究計画を立案・確認するため、科学研究費補助金には積極的に申請する。また、研究倫理を守ることの原則を踏まえ、公的研究資金を不正に使用しない。

(7) 所属大学との契約に基づいて受託研究・産学共同研究を行い、 特に公益性に反する研究は行わない。

5.社会に対する倫理  

同朋大学の教員は、自己の専門分野の知識を生かし、公共の福祉と文化の向上に寄与する。

(1) 公職への奉仕への要請があった場合には、可能なかぎり協力する。

(2) 公職に就くときは、その職務に伴う権限を特定の個人や組織の利益のために使わない。反社会的行為に加担しない。

(3) 大学入学試験の公正・適正な実施に務めるとともに、受験生に対する親切・丁寧な対応を心がける。